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【訃報】小野高幸先生のご逝去を悼む

小野高幸先生(東北大学理学研究科教授)は平成25年12月21日にご逝去されました。誰もが予想しなかった突然のことであり、驚くとともに悲しく、残念でたまりません。念願のERG衛星打ち上げまで残すところ2年余りでの他界は無念であったと思います。

小野さんとは、昭和55年から極地研究所の同僚として仕事を共にしました。特に、アイスランドでのオーロラ共役点観測を一緒にやりました。平成6年に東北大学に移られてからも、極地研の専門委員会や学会・シンポジウムなどでよくお話しをしました。大学間連携事業IUGONETの立ち上げに際しては、頻繁に会合を持ち、力を合わせて予算獲得までこぎつけたことがつい昨日のように思い浮かんできます。

小野さんは、まれにみる強靭な精神力の持ち主であり、限りない情熱を持って研究や観測に取り組む、研究者の鏡ともいえる方でした。その上、組織やグループ、個々人へ深い思いやりと愛情を注ぐ心豊かな方でもありました。それゆえに、私を含め、同僚や先輩・後輩など広い年齢層の方々から深い信頼と尊敬を得ていました。南極観測隊や衛星プロジェクトチームでは小野さんのその良さが生かされたと思います。小野さんへの信頼は、アイスランド大学のサエムンドソン先生やフッサフェル観測拠点のスノーリ氏も同様であり、私がアイスランドを訪れるたびに、小野さんの近況を気にかけていました。平成20年9月のフランスでの緊急入院は大変ショックのようでした。

Prof. Ono

研究者としての小野さんは、研究手段として必要な観測器の設計・制作から、観測で得られたデータの解析、さらには数値計算までを、全て一人で成し遂げることのできる数少ない研究者の一人でした。

ERG衛星は、小野さんのこれまで30年余の研究者人生の集大成といえるプロジェクトでした。険しい道のりを乗り越えて、ようやく打ち上げ時期の見通しがみえたここでの旅立ちは無念でしょう。しかし、チームの皆は、小野さんの遺志を受け継ぎ、必ず成功に導いてくれるものと確信します。

小野高幸先生が残された足跡は、多くの弟子や知人、そして国内外の学会に広く深く影響を与えてくださいました。

ここに、心よりのご冥福をお祈り申し上げます。

佐藤夏雄(国立極地研究所) IUGONETニュースレターNo.5より一部加筆して掲載